自毛植毛はやめた方がいい?後悔しないために知っておきたい費用やデメリット

自毛植毛はやめた方がいい?後悔しないために知っておきたい費用やデメリット

自毛植毛は、男性型脱毛症(AGA)に有効な治療法で、薄毛の影響を受けていない側頭部や後頭部から自分の毛髪を採取し、薄毛が気になる部分に移植する外科手術です。

 

この治療法の特徴は、毛根の周囲の組織ごと採取するため、移植後も自然に髪が成長し続け、ヘアサイクルを繰り返す点です。移植した毛が生着すれば、半永久的に効果が持続し、術後のメンテナンスが不要になるのが最大のメリットです。

 

1回の治療費は高額になりますが、投薬治療のように長期にわたって継続する必要がないため、結果的に費用対効果に優れた治療法といえます。

 

当記事では、自毛植毛の特徴、効果、メリット・デメリットについて詳しく解説しています。薄毛を根本的に改善したい方にとって、有益な情報となるでしょう。ぜひ参考にしてください。

自毛植毛とはどんな治療?人工毛植毛との違いやメリット・デメリットについて解説

自毛植毛は、生え際や頭頂部など、AGA(男性型脱毛症)が進行した部位に、自分の後頭部や側頭部の毛髪を皮膚組織ごと採取して移植する薄毛治療法です。

 

この治療法は、薄毛を根本から改善できる外科手術であり、患者自身の毛髪を細胞から移植するため、以下のようなメリットがあります。

  • 拒絶反応や副作用のリスクがない
  • 移植後に髪の毛が伸びたり生え変わったりする
  • 術後のメンテナンスが不要
  • ヘアカラーやパーマが可能

さらに、後頭部や側頭部からバランスよく髪を採取するため、移植元が目立って薄くなることはありません。自毛植毛は、男性だけでなく女性の薄毛治療にも有効で、性別を問わず利用できる治療法です。

人工毛植毛との違いは?

自毛植毛が自分の髪の毛を薄毛の部分に移植するのに対して、人工植毛はナイロンやポリエステルなど、合成繊維で作られた人工毛を植毛する外科手術です。

人工毛植毛は、希望する本数を無制限に植毛できるという利点がありますが、使用するのが自分の髪ではないため、拒絶反応や炎症を起こすリスクが伴います。人工毛は体に異物として認識されるため、頭皮の炎症や感染、さらには植毛した毛が脱落するリスクが高まることがあります。

 

このため、人工毛植毛は慎重に選択すべき治療法であり、リスクを理解した上での検討が必要です。安全面を考慮するなら、やはり自毛植毛の方が拒絶反応や副作用のリスクが少なく、長期的に安定した結果が期待できると言えます。

自毛植毛の仕組みと植毛の種類

自毛植毛では、毛髪を「毛包」と呼ばれる組織ごと採取し、薄毛の部分に移植します。毛包には、毛根や毛の成長を促す毛母細胞が含まれており、移植後も成長を続けるため、自然な髪の再生が可能です。

 

自毛植毛では、毛包(グラフトまたは株)を薄毛の影響を受けない後頭部や側頭部から採取し、薄毛部分に移植します。移植の流れとしては、まずグラフトを採取し、次に薄毛の部分に1mmほどの小さなホールを作成して、その中にグラフトを植え込みます。

 

・FUE法(Follicular Unit Extraction)

 

この方法では、パンチブレードを使用して毛根を周囲の組織ごと一つずつ採取します。FUE法は、傷が小さく、回復が比較的早いというメリットがあります。

 

・FUSS(FUT)法(Follicular Unit Strip Surgery/Transplantation)

 

FUSS法では、後頭部の頭皮を10~20cm幅で薄く帯状に切り取り、その中から健康な毛根を採取します。

 

この方法は、一度に多くのグラフトを採取できるため、広範囲に移植を行う場合に適していますが、傷跡が残る可能性があります。

 

どちらの方法でも、移植したグラフトは毛母細胞が生き続け、血液から栄養が供給されることで、髪が従来通り成長し続けます。自毛植毛は、移植した毛髪が自然に生え変わるため、長期的な薄毛改善が期待できます。

自毛植毛の種類

自毛植毛にはいくつかの施術方法があり、それぞれ特徴や利点が異なります。

 

メスを使う施術、専用パンチを使う施術、さらには植毛針を使う新しい技術も注目されています。以下に、自毛植毛の主な種類と特徴を詳しく解説します。

 

FUT法(ストリップ法)

 

FUT法は、メスを使って後頭部や側頭部の頭皮ごと毛髪を採取し、薄毛の気になる部分に植え込む方法です。

 

この方法の大きな特徴は、毛根を傷つけにくいため定着率が高く、一度に広い面積に移植できる点です。そのため、大規模な植毛が必要な場合に効果的です。

 

しかし、メスで頭皮を切り取るため、採取後に縫合が必要であり、麻酔が切れると採取した部位に痛みを感じることがあります。また、傷口が治るまでに時間がかかるため、回復期間中のケアが必要になるというデメリットもあります。

 

FUE法

 

FUE法は、メスの代わりに専用パンチを使い、毛髪を毛包ごとくり抜いてグラフトを採取し、移植先に開けた小さなホールへ植え込む方法です。

 

メスを使用しないため、傷口が小さく、痛みが少ないのが大きな特徴です。また、術後の回復も比較的早いです。ただし、1つひとつのグラフトを手作業で採取するため、手術時間が長くなる傾向があり、その分費用が高額になるデメリットもあります。

 

FUE法は、傷跡が目立ちにくくしたい人や、小規模な植毛を希望する人に適した方法です。

 

CHOI法(ニードル法)

 

CHOI法(ニードル法)は、韓国で生まれた植毛方法で、植毛針という専用の器具を使い、穴開けと植え込みを同時に行う技術です。

 

FUT法やFUE法が毛根を周辺組織ごと移植するのに対し、CHOI法(ニードル法)では髪の毛を1本ずつ植え込みます。この方法は、植える角度を自由に調整できるため、生え際や細かい部分の植毛において、より自然な仕上がりを実現するメリットがあります。

 

一方で、手間がかかるため、施術時間が長くなり費用も高額になりやすいというデメリットがあります。また、CHOI法は広い面積の植毛には適しておらず、限られた部分に対して効果的です。

 

ARTAS植毛

 

FUE法の一種として、ARTASというロボットを使った植毛法があります。この方法は、メスで切る従来の植毛に比べて、傷跡が小さく、ダウンタイム(回復期間)が短いのが特徴です。

 

ARTASでは、毛根を採取する際に、4つのCCDカメラを使って頭皮を撮影し、医師が毛髪の向きや角度、密度を詳細に確認しながら、ロボットが自動で毛根を正確に採取します。

 

これにより、従来の手作業では難しかった精密な施術が可能となり、毛根を傷つけるリスクを減らして、定着率を高めることができます。

 

ARTAS植毛は、精度の高い施術を希望する方や、傷跡を最小限に抑えたい方にとって有効な選択肢です。

自毛植毛にかかる費用の相場

自毛植毛の費用は、クリニックや施術方法によって変動しますが、相場は約85万円~250万円程度です。AGA治療の中でも費用は高額ですが、一度移植した毛髪が生着するとメンテナンス費がかからないという大きなメリットがあります。

 

代表的な自毛植毛の施術方法であるFUT法とFUE法の費用相場は以下の通りです。

 

術式 基本料金 1グラフト 1,000グラフト 総額
FUT法 22万~25万円 660~1,000円 66万~100万円 86万~125万円
FUE法 27万~30万円 990~2,200円 99万~220万円 126万~250万円

 

クリニックによって基本料金や1グラフトの費用が異なります。

 

また、移植するグラフト数によって総額も変わります。

 

例えば、軽度のM字ハゲや生え際の薄毛なら500グラフト程度で済むことがあり、逆に前頭部から頭頂部にかけて広範囲に移植する場合は、1,500グラフト以上が必要になることがあります。

自毛植毛のメリット・デメリット 

自毛植毛には、人工毛植毛や他のAGA治療と比べて、いくつかの大きなメリットとデメリットがあります。ここでは、自毛植毛のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

自毛植毛のメリット

拒絶反応・炎症・感染症のリスクが少ない

人工植毛では、体に合わない場合、アレルギー反応や炎症などの拒絶反応が起こるリスクがあります。一方、自毛植毛は、自分自身の毛髪を移植するため、拒絶反応が起こりにくいという大きなメリットがあります。

 

もちろん、頭皮や毛髪、体質は個人によって異なるため、完全にリスクがないわけではありませんが、人工植毛と比べると自毛植毛は安全性が高い施術といえるでしょう。自毛を使用するため、体が異物と認識することなく、自然な仕上がりが期待できます。

根本的な治療が期待できる

自毛植毛は、毛根を毛包ごと採取して薄毛の部分に移植するため、根本的な薄毛治療が期待できる方法です。

 

特に、AGAの影響を受けにくい側頭部や後頭部の毛髪を周辺組織ごと採取し、移植するため、移植した毛が生着すれば、その後は半永久的に自然に生え続けます。これは、移植した毛髪が通常の髪と同じように成長期、退行期、休止期のヘアサイクルを繰り返すためです。

 

全ての移植した毛髪が生着するわけではありませんが、一度生着した髪は長期的に発毛を維持することができるため、薄毛治療の中でも効果が高い選択肢となります。

自然な仕上がりになる

人工植毛では、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で作られた毛を使用するため、自毛の質感や色に完全に合わせるのは難しいといえます。人工毛はどうしても違和感が生じることがあり、自然な見た目に仕上げるのは挑戦的です。

 

一方、自毛植毛では自分自身の髪の毛を使用するため、質感や色が自毛と一致し、違和感のない自然な仕上がりが得られます。特にFUE法では、1グラフトずつ毛包を採取して移植するため、採取元の傷跡もほとんど目立たず、術後の回復も比較的早いです。

日本皮膚科学会から推奨されている

日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において、自毛植毛は推奨度BのAGA治療とされています。これは、自毛植毛が有効性の高い治療法として評価されていることを示しています。

 

一方、人工植毛は推奨度が最低ランクのDとされており、その有用性が低くリスクが高いことが示唆されています。このことからも、自毛植毛は安全性や効果の面で優れており、AGA治療として信頼性がある治療法とされています。

ヘアカラーやパーマもできる

自毛植毛で移植した髪の毛は、一度生着すると、今生えている髪と同じようにヘアサイクル(成長期・退行期・休止期)を繰り返します。

 

そのため、術後の特別なメンテナンスは必要なく、通常の髪のようにヘアカットやカラーリング、パーマなど、自由にヘアスタイルを楽しむことができます。自毛を移植するため、自然な見た目を維持しながら、髪の手入れができるのが自毛植毛の大きなメリットです。

自毛植毛のデメリット

費用が高額になる

自毛植毛は他のAGA治療に比べて費用が高額になる傾向があります。施術費が高い理由として、以下の要因が考えられます:

 

1.経験を積んだ医師による施術が必要

 

自毛植毛は精密な技術が求められるため、熟練した医師が行う必要があります。医師の技術や経験が仕上がりに大きく影響するため、医療費が高額になる一因です。

 

2.グラフトの採取や移植が手作業で行われる

 

グラフト(毛包単位)の採取や移植は、1つひとつ手作業で行われ、非常に繊細な作業を必要とします。これにより手術時間が長くなり、その分費用が増加します。

 

3.自由診療で保険適用外

 

自毛植毛は保険適用外の自由診療となるため、治療費は全額自己負担です。治療法や移植するグラフト数によって異なりますが、施術費用は一般的に数十万円から数百万円に及びます。

 

自毛植毛は高額ではありますが、半永久的な効果が期待できるため、長期的には費用対効果が高い治療法といえます。

植毛した部位以外の薄毛の進行は抑制できない

自毛植毛は移植した部位の薄毛を改善する効果がありますが、移植していない部分の薄毛進行を抑制することはできません。

 

自毛植毛の手術を受けた際には、まだ薄毛が目立たなかった箇所でも、数年後にAGAの症状が進行する可能性があります。その結果、植毛した部分と他の部分の毛量の差が目立ってしまうことがあります。

 

そのため、術後のケアとして、他の部分の抜け毛を予防するために投薬によるAGA治療を継続する選択肢もあります。植毛した部位の定着を維持しながら、他の部分の進行を抑えるため、投薬治療と組み合わせることで、より良い結果を得られる場合があります。

移植後、生着しなければ抜け落ちる

自毛植毛で移植したすべての毛髪が必ず生着するわけではなく、一般的に毛根の生着率は約80%程度と高めですが、一定のグラフトが生着しない場合もあります。施術を受ける際には、この点を考慮する必要があります。

 

生着しない理由には、いくつかの要因が考えられます。

 

1.医師の技量

 

施術を担当する医師の技術や経験が結果に大きく影響します。正確なグラフト採取と移植が生着率に直結します。

 

2.グラフトの状態

 

採取したグラフトの状態が悪い場合、生着が難しくなります。採取時に毛包が傷つくと、移植後に発毛しにくくなります。

 

3.移植先の頭皮の状態

 

頭皮が健康でない場合、血流が悪く、栄養が行き届かず、グラフトの生着が難しくなることがあります。

 

施術を成功させるためには、技術的に優れたクリニックを選び、施術後の適切なケアや頭皮の健康を保つことが重要です。

効果を実感できるまでに時間がかかる

移植した毛が生着し、通常のヘアサイクルで生え続けるようになるまでには、時間がかかります。

 

術後、1ヶ月ほど経過すると、植毛した毛は一時的に「ショックロス」と呼ばれる現象で抜け落ちることがありますが、毛根はしっかりと頭皮に根付いています。その後、約2~3ヶ月経つと、新しい毛髪が生え始めます。

 

そのため、自毛植毛の効果を実感できるまでには、最低でも4ヶ月程度の時間がかかるのが一般的です。即効性を期待することができない点はデメリットですが、長期的に持続する発毛効果が期待できるのが自毛植毛の強みです。

植毛できる本数に限りがある

自毛植毛では、自分自身の毛髪を採取して移植するため、採取できる本数には限りがあります。

 

特に、広範囲にわたって薄毛の症状が見られる場合、十分な本数を採取できないことがあり、その結果、理想通りの仕上がりにならない可能性があります。後頭部や側頭部の髪の毛は限られており、一度に多くの毛髪を採取することが難しいため、慎重な計画が必要です。

 

そのため、採取する本数や移植する範囲をよく考慮し、医師と相談しながら最適な治療法を決めることが重要です。

自毛植毛の副作用やリスクについて

自毛植毛は、副作用のリスクが少ない安全な治療法ですが、施術に伴う痛みや赤みが生じる可能性があります。特に術後は、施術部分に腫れや違和感を感じることがあるものの、通常は数日から1週間程度で改善します。

 

また、術後1~2ヶ月が経過した頃に、ショックロスと呼ばれる一時的な脱毛が起こることがあります。

 

これは初期脱毛の一種で、約20%の確率で発生しますが、毛根は生着しているため、髪は時間が経てば再び生えてくるため、心配する必要はありません。ショックロスは自然な回復過程の一部と考えられています。

自毛植毛の術後の注意点

自毛植毛の術後は、移植した髪をしっかりと生着させるため、注意して過ごすことが大切です。

 

術後の頭皮は非常にデリケートになっているため、当日の洗髪は避け、翌日から1週間程度は、頭皮に刺激を与えないように優しく洗髪するよう心がけましょう。強い水圧や爪を立てて洗うことは避け、できるだけ刺激を与えないようにしてください。

 

ドライヤーで乾かす際には、冷風を使うことをおすすめします。熱風は頭皮に刺激を与える可能性があり、体が温まると施術部分に赤みや腫れが生じることがあります。術後5日目までは、体温が上がるような激しい運動や入浴は控え、赤みが引くまで注意してケアを続けましょう。

自毛植毛とその他のAGA治療との違い

AGA治療には、自毛植毛以外にも投薬治療があり、これが一般的な治療法のひとつです。

 

代表的なAGA治療薬

 

【フィナステリドやデュタステリド】

 

これらは、男性ホルモンに働きかけ、薄毛の原因となる**ジヒドロテストステロン(DHT)**の生成を抑制します。これにより、薄毛の進行を防ぐ効果が期待できます。

 

【ミノキシジル】

 

ミノキシジルは血行を促進し、髪の毛に必要な栄養を届けることで、育毛・発毛をサポートします。この薬は、外用薬や内服薬として使用され、発毛効果が期待される代表的な治療薬です。

 

・投薬治療の特徴

 

AGA治療薬には、抜け毛の予防や育毛・発毛を促す働きがありますが、効果を持続させるためには継続的な服用が必要です。投薬を中止すると、再び薄毛が進行することがあるため、長期的な治療が求められます。

 

・自毛植毛のメリット

 

一方、自毛植毛は薄毛を根本から治療できる方法です。移植した自毛が生着すれば、自然に生え変わり続けるため、術後の特別なメンテナンスは必要ありません。1回の治療費は高額ですが、術後のコストや手間がかからないため、長期的には費用対効果に優れているといえるでしょう。

自毛植毛の施術の流れ 

自毛植毛の施術流れを順番に紹介します。

  • STEP
    予約~来院・受付

    まずはじめに、カウンセリングの予約をしましょう。

     

    多くのクリニックでは完全予約制となっており、プライバシーに配慮して、他の患者さんと顔を合わせることなく受診できるところもあります。

     

    予約後、クリニックに到着すると、受付を済ませて問診票の記入を行い、その後、医師によるカウンセリングや診察が行われます。カウンセリングでは、薄毛の進行具合や治療の選択肢について、詳しく相談することができ、個々に合った治療法を提案してもらえます。

  • STEP
    カウンセリングと診察

    カウンセリングでは、薄毛の悩みや希望する治療法について、医師によるヒアリングが行われます。

     

    医師は、毛髪や頭皮の状態を診察し、それに基づいて1人ひとりに合った最適な治療法を提案します。自毛植毛を検討している場合、治療の流れや費用、効果、リスクについて詳しい説明があり、納得した上で治療内容に同意できれば、契約を交わし会計を済ませます。

     

    施術前には、毛髪や頭皮の状態の把握や、治療の進行具合を確認するために、頭部の写真撮影が行われます。また、安全に治療を行うため、血液検査を実施して体の健康状態を確認します。これにより、適切な施術が行われる準備が整います。

  • STEP
    施術

    自毛植毛の手術当日には、まず移植するグラフト数や範囲、デザインなどの最終確認を行い、その後手術室へ移動します。

     

    手術前には心電図の装着を行い、必要に応じて睡眠導入剤や痛み止めを服用するなど、準備が整ったら手術が開始されます。

     

    移植するグラフト数や範囲によって手術にかかる時間は異なりますが、おおよそ3~6時間程度です。手術は日帰りで行うことができ、入院の必要はありません。施術後はそのまま帰宅し、医師の指示に従って術後のケアを行います。

  • STEP
    術後の処置

    手術が完了すると、移植する毛を採取した部分と植毛した部分をガーゼで保護し、包帯で固定します。その後、抗生剤や痛み止めを服用し、施術の全行程が完了となります。

     

    術後には、医師から過ごし方や注意点について説明を受け、その後帰宅となります。術後のケアは非常に重要で、指示に従って正しく過ごすことで、移植した毛髪の生着率を高めることができます。

自毛植毛に関するQ&A

自毛植毛の施術に痛みはありますか?

自毛植毛の施術前には麻酔が施されるため、手術中に痛みを感じることはありません。

 

 

ただし、メスを使って頭皮を切開するFUT法では、術後に切開した箇所が痛むことがあります。しかし、この痛みは抗生物質や痛み止めが処方されるため、通常は十分に管理可能であり、過度に心配する必要はないでしょう。

 

適切なケアと服薬により、術後の不快感は和らぎ、回復をサポートします。

術後にかつらや帽子・ヘルメットは被っても大丈夫ですか?

術後3日程度で、かつらを着用することが可能です。ただし、帽子を使用する場合は、患部を締めつけないように、大きくゆとりのあるデザインのものを選ぶようにしましょう。

 

特に、頭皮に直接圧力がかかるタイプの帽子は避け、できるだけ快適に装着できるものを選ぶことが大切です。

 

また、ヘルメットの着用についても、患部に圧力がかかるものは避けるようにしてください。頭皮がデリケートな状態のため、圧迫や摩擦を防ぐことで、移植した毛髪の生着を助け、回復を促進します。

自毛植毛は女性でも受けられる?

自毛植毛は、女性にもおすすめの薄毛治療法です。症状や薄毛の進行具合に応じて治療法は変わりますが、男女問わず施術を受けることが可能です。特に、女性特有のびまん性脱毛症や、部分的な薄毛に対しても効果的な治療法となります。

 

自毛植毛は、自分の髪を移植するため、自然な仕上がりと長期的な効果が期待できるため、男性同様に女性にも適した治療法です。

タバコやお酒は自毛植毛に影響する?

自毛植毛の術後は、タバコやお酒を避けることが重要です。

 

お酒を飲むと血行が促進され、患部に痛みが出やすくなるほか、腫れや赤みが増す可能性があります。

 

タバコは、血流を悪化させるため、傷の治りを遅らせるだけでなく、移植した毛髪の生着率を下げるリスクもあります。

 

タバコによる血管収縮は毛根に十分な酸素や栄養を届けにくくし、発毛効果に悪影響を与える可能性が高まります。

 

術後の回復を促進し、移植した毛髪の定着を最大限に高めるためにも、タバコやお酒は控えることが推奨されます。

自毛植毛の術後にカラーリングしてもいい?

自毛植毛の術後、カラーリングを行うことは可能ですが、少なくとも1ヶ月以上経過してから行うことが推奨されます。

 

移植した毛髪の生着率が決まるのは、術後1~2週間が重要な期間で、1ヶ月もすればほとんどの毛髪が定着します。このため、カラーリングやパーマなどの施術は、移植部位がしっかり定着してから行うことが理想的です。

 

頭皮に刺激を与えないためにも、早すぎるカラーリングは避け、医師の指示に従って行うことが大切です。

自毛植毛後の髪の寿命は何年もつ?

自毛植毛した髪の寿命は、基本的に他の髪と同じです。一般的に髪の寿命は2~6年とされており、移植した髪が正常に定着すれば、同じサイクルで健康な状態を維持できます。

 

移植した髪の毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から採取されるため、植毛後も同じ寿命で生え変わることが期待されます。うまくいけば、10年程度健康な状態を保てることもあり、長期間にわたって自然な発毛が続く可能性があります。

自毛植毛の本数の限界は?

自毛植毛は、広範囲にわたる施術が可能ですが、1回の手術で植毛できる本数には限りがあり、通常は2,000グラフトが上限とされています。

 

これは、自毛植毛で使用する毛髪が側頭部や後頭部から採取されるため、過剰に採取してしまうと、採取部位の毛の密度が低下し、見た目に影響を与えるリスクがあるためです。したがって、広範囲の薄毛に対応する場合、移植する範囲によっては、複数回に手術を分ける必要があります。

 

その結果、手術回数が増えると、当然その分費用も高額になります。クリニックによっては、分割しての施術計画や費用の相談が可能ですので、事前に医師としっかりと話し合うことが大切です。

自毛植毛は保険適用される?

自毛植毛は、基本的に保険適用外の自由診療となり、治療費は全額自己負担となります。しかし、例外として保険が適用されたり、医療費控除の対象となるケースも存在します。

  • 自己免疫疾患による脱毛症(円形脱毛症など)の症状を伴う場合
  • 火事や事故の影響で髪の毛を失った場合

このように、美容目的ではなく、健康や機能の回復を目的とした植毛であれば、保険適用や医療費控除の対象となる可能性があります。

 

そのため、該当する場合は、領収書や診断書を保管しておくことが重要です。必要に応じて、医療機関や保険会社に確認し、手続きを進めることをお勧めします。

自毛植毛するとくせ毛になるって本当?

自毛植毛の術後、約4ヶ月程度で発毛が始まりますが、移植した毛が一時的にくせ毛になることがあります。この現象は一般的で、くせ毛といっても軽いウェーブがかかる程度であり、極端な縮毛になることはありません。

 

この一時的なくせ毛は、毛髪が新しい環境に適応している過程で発生するもので、通常のヘアサイクルを繰り返すことで次第に元の髪質に戻っていきます。

 

したがって、移植後の一時的なくせ毛は心配する必要はなく、時間が経てば自然な髪質に戻ることが期待されます。

自毛植毛の施術後の運動はいつから?

自毛植毛の施術後、5日目までは運動を避けることが重要です。特に、移植した毛髪が安定するまでの期間は、頭皮への負担を最小限に抑えることが必要です。

 

5日目以降であれば、ウォーキングやジョギング、サイクリングといった軽めの運動は徐々に取り入れても大丈夫です。ただし、サッカーや長距離ランニングなど、負荷の高い運動は頭皮に強い刺激を与える可能性があるため、1~2週間程度は控えることをおすすめします。

 

無理のない範囲で体を動かしながら、術後の回復を促しましょう。

病院概要

名称 医療法人社団恩和会 旭川高砂台病院
住所 〒070-8061 旭川市高砂台1丁目1番地22号
電話番号 0166-61-5700
FAX 0166-61-5089
代表者理事長・病院長 横山恵一
開設年月日 昭和63年12月15日 (平成10年7月 医療法人社団 恩和会 設立)
診療科目 内科/ 外科/ 整形外科/ リハビリテーション科 /透析科
病棟内訳

病棟数 104床・B棟2階 療養病床(医療療養病棟)50床
・B棟4階 一般病床(障害者病棟)54床