包茎とは、平常時は亀頭が包皮に覆われている状態で、勃起時に自然に亀頭が露出されない状態のことです。
包茎には「仮性包茎・真性包茎・カントン包茎」の3種類があります。仮性包茎は治療しなくて良いという考えもありますが、放置することで、包皮炎や尿路感染症などの病気につながる可能性も。衛生面の問題や、見た目を気にして治療する人も多いです。
ここからは、包茎の種類や治療法、包茎によるトラブルについて詳しく解説します。
包茎とは、普段は包皮が亀頭に被さっている状態で、勃起しても自然に亀頭が露出されることはありません。
生まれたばかりの赤ちゃんのほとんどが包茎の状態なのは、包皮に必要な機能があるためです。包皮は傷つきやすい亀頭を守る役割をしますが、成長とともに自然と剥けます。
ただし、大人になっても6~7割の人が、平常時に亀頭が包皮に覆われているのが実情です。特に不具合がないことから、治療する必要がないと判断されることも少なくありません。
ただし、包皮の口が狭い場合は、亀頭が露出されると包皮によって陰茎が締め付けられ、血流が滞り変色したり、痛みが起こることも。
また、包茎の状態によっては排尿障害や臭いの原因となったり、正常に性行為できない等のトラブルにつながることもあります。包茎を改善するには、医療機関で適切な治療を受ける必要があります。
包茎は大きくわけて「仮性包茎・真性包茎・カントン包茎」の3種類があります。
これら3種類の包茎に含まれるのが、肥満や加齢が原因の「埋没型包茎」や「老人性包茎」、病気が原因の「糖尿病性包茎」や「カンジダ性包茎」です。
仮性包茎
仮性包茎とは、平常時は亀頭が包皮に覆われていますが、勃起時や手で包皮を剥くと亀頭が露出できる状態です。
仮性包茎でも症状はさまざまで、勃起すると自然に亀頭が露出する軽度なものから、勃起しても包皮で亀頭が覆われたままの重度なタイプがあります。
仮性包茎は、恥垢が溜まって不衛生になりやすく、臭いやかゆみを引き起こすことも。また、性病のリスクも高まります。亀頭炎や包皮炎などのトラブルも起こりやすく、炎症を繰り返すことでカントン包茎に移行する可能性もあります。
仮性包茎は治療しなくてもよいという考えもありますが、衛生面や見た目の問題から治療する人もたくさんいます。
【仮性包茎のリスクやデメリット】
真性包茎
真性包茎とは、包皮を剥いても亀頭が完全に露出しない状態です。包皮と亀頭の癒着や包皮口が狭いことが原因で、平常時はもちろん勃起時も亀頭が包皮に覆われており、手で剥くこともできません。
誰でも生まれたときは包皮口が狭く、亀頭と包皮が癒着している状態ですが、成長とともに包皮口が広がり、癒着していた亀頭と包皮も分離します。
自然に包皮が剥けて包茎が解消されることがほとんどですが、成人しても解消されないケースもあります。真性包茎を放置すると、日常生活や性生活に支障をきたすことがあるため、治療が必要になります。
亀頭を露出させて洗えないため、包皮内に細菌が繁殖しやすくなり悪臭を招くことも。また、成長期に真性包茎のままだと、亀頭の成長が妨げられ、先細りや短小の原因となる可能性があります。
更に、勃起しただけで痛みが出たり、亀頭が包皮に覆われていることから刺激を感じにくく、正常なセックスができないことがあります。
【真性包茎のリスク・デメリット】
カントン包茎
カントン包茎とは、包皮口が狭く、無理に亀頭を露出させることで、包皮が亀頭の根元を強く締め付け、元に戻らなくなる状態です。
自分で無理に剥いた場合だけではなく、性行為の際に意図せず包皮が剥けてしまいカントン包茎になるケースもあります。勃起していなくても亀頭が腫れ上がり、最悪の場合は亀頭や包皮が壊死することもあるため、早めに治療を受ける必要があります。
勃起時に皮が剥けると鬼頭が締め付けられる感覚はあっても、元の状態に戻る場合、正確にはカントン包茎になる手前の仮性包茎だといえます。包皮口が亀頭の根元を締め付け、血流が悪くなり、亀頭が腫れて元に戻らなくなる状態がカントン包茎です。
【カントン包茎のリスク・デメリット】
・セックスの際に痛みを感じることがある
・早漏の原因になる
・悪臭の原因になる
・性病のリスクが高まる
・見た目にコンプレックスを感じる
埋没型包茎(肥満型包茎)
埋没型包茎は肥満型包茎とも呼ばれ、肥満や加齢などが原因で陰茎が体内に埋もれてしまい、包皮が余った状態の包茎です。
普段は包皮が剥けているのに、座ったり前かがみになると亀頭が包皮に覆われる場合も埋没型包茎です。
通常の包茎と同じく、埋没型包茎も「仮性包茎・真性包茎・カントン包茎」に分類されます。体内に埋まっている陰茎の状態によっては、通常の包茎手術のみでは改善されないケースもあります。
その場合は、包茎手術と同時に陰茎の埋まりを治療する埋没陰茎長茎手術を受けることで、症状が改善されます。
【埋没型包茎のリスク・デメリット】
老人性包茎
老人性包茎とは、加齢によってたるんだ包皮に亀頭が覆われやすくなる状態です。皮膚のシワやたるみと同じく、包皮がたるみ、亀頭のカリの張りがなくなることで、亀頭が包皮に覆われやすくなります。
加齢によって亀頭が縮み、陰茎が細くなる「短小化」も老人性包茎の原因となります。加齢とともに身長が縮まるのと同じく、海綿体組織も加齢によって縮み、陰茎が細く短くなる傾向にあります。
老人性包茎の治療法は手術だけではありません。亀頭の縮みが原因の場合は、亀頭増大によってカリに引っかかりができ、包茎が改善されます。陰茎が短くなったことが原因となる場合は、埋没陰茎長茎手術で改善されることもあります。
【老人性包茎のリスク・デメリット】
糖尿病性包茎・カンジダ性包茎
糖尿病やカンジダの合併症によって包茎になることがあります。
糖尿病の場合は、症状が悪化すると皮膚が弱くなり、勃起や包皮を剥くことで炎症が起こりやすく、切り傷ができることも。炎症を繰り返すことによって包皮が硬化し、包皮口が狭くなってカントン包茎や真性包茎の状態に陥ります。
カンジダの場合は、カンジダ性包皮炎により包皮が硬くなり、包皮口が狭くなってカントン包茎や真性包茎の症状が進行します。
包皮口が狭くなり亀頭を露出できなくなると、包茎手術が必要になります。
もともと仮性包茎で、自力で包皮を剥くことができても、糖尿病性包茎やカンジダ性包茎で亀頭が露出できなくなるケースが多くみられます。包皮炎によって包皮口の締め付けが強くなった場合は、自力では治せないため、早めに包茎手術を受けることをおすすめします。
【糖尿病性包茎やカンジダ性包茎のリスク・デメリット】
・亀頭包皮炎や性感染症のリスクが高まる
・陰茎が壊死するリスクがある
・EDになる可能性がある
包茎を治療せず放置すると、亀頭包皮炎や尿路感染症などの病気を引き起こすなど、思わぬトラブルにつながるリスクがあります。
亀頭包皮炎など病気の原因になる
包茎になると包皮内に細菌やウイルスが繁殖しやすい状態になり、炎症を起こしやすくなります。
包茎を適切に治療しなければ、以下のような病気を発症しやすくなります。
これらの病気を防ぐためにも、できるだけ早めに包茎治療を受けることをおすすめします。
尿が飛び散りやすい
包皮口が狭くなると、排尿の際に陰茎の先が風船のように膨らむことがあります。
健康に悪影響を及ぼすことはありませんが、おしっこが便器以外の方向に飛び散り、トイレを汚してしまいます。
恥垢が溜まり悪臭の原因になる
包茎を放置すると亀頭と包皮の間に恥垢が溜まり、雑菌が繁殖しやすくなり悪臭の原因になります。
また、包皮に炎症が起こることで、陰部のかゆみや痛みが生じることもあります。
正常に性行為できない
包茎になると正常に性行為できなくなります。
平常時には包皮で覆われている亀頭が、勃起時に露出することで、外部からの刺激に敏感になります。そのため、意図せず射精してしまい早漏につながることも。
また、挿入時に痛みを感じたり、コンドームが外れやすくなります。
包茎の治療方法として「手術」と「矯正器具の使用」があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
包茎手術
包茎の代表的な治療法が手術です。余分な包皮を除去することで亀頭を露出させるのが一般的な包茎手術です。
クリニックによって術式は異なりますが、傷跡が目立たず自然な仕上がりを目指すこともできます。
矯正器具の使用
包茎治療に使われる矯正器具には、下着に装着するタイプやリング状で陰茎に装着するチアプ、接着剤を使用するものなど、さまざまな種類があります。
これらの矯正器具を使って亀頭を露出させることで包皮に癖を付け、包茎を治療します。ただし、医学的な根拠がないものや、安全性が確保されていないものもあるため注意が必要です。
治療法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
包茎手術 |
・症状に合わせて確実に治療できる ・専門医による手術で安全性が高い ・手術時間が短い |
・費用が高い ・手術に対する心理的な抵抗がある |
矯正器具の使用 |
・費用が安い ・自宅で治療できる |
・確実に治療できるとは限らない ・医学的根拠のない器具もある ・安全性が確保されていない器具もある ・治療できるまでに時間がかかる ・専門医に相談できない |
矯正器具を使った治療は手術に比べて費用が安く済むメリットがありますが、確実に包茎治療できるとは限りません。
また、安全性に問題のある矯正器具もあり、包皮に傷をつけてしまい、結局は医療機関を受診しなければいけないケースもあります。
有効性や安全性の観点から、専門のクリニックで包茎手術を受けることをおすすめします。
包茎は自力で治せる?
包茎は自力で治すことはできません。また、自然に治ることもありません。
仮に自力で治せたとしても、余剰包皮を切除しなければ完治したことにはならず、再発する可能性があります。自分で包茎を治そうとして、陰茎を傷つけてしまうこともあります。
包茎でお悩みの方は、専門のクリニックで治療を受けることをおすすめします。
仮性包茎は治療しなくてもいい?
仮性包茎でも治療を受けるべきです。
仮性包茎は痛みを伴うことなく、自力で亀頭を露出させることができます。ただし、陰毛の絡みや汚れ、臭いなどの悩みを抱える人も多いです
余剰包皮の状態には個人差があり、人によっては性行為に不具合を感じることもあります。包茎治療専門のクリニックでは、無料カウンセリングを設けているため気軽に相談してみましょう。
包茎手術で後遺症が残ることはある?
包茎手術で後遺症が残ることはほとんどありません。
ただし、治療実績が乏しいクリニックで手術を受けたり、手術経験の少ない研修医やアルバイト医師が施術を行うことで、後遺症が残るリスクもあります。
術後、大量出血が続いたり、排尿障害や射精障害、勃起障害などのトラブルを避けるためにも、治療実績が豊富なクリニックを選ぶことをおすすめします。
クリニックの公式サイトには医師の経歴が掲載されているため、事前に確認しておきましょう。
包茎手術で後遺症が残ることはある?
包茎手術で後遺症が残ることはほとんどありません。
ただし、治療実績が乏しいクリニックで手術を受けたり、手術経験の少ない研修医やアルバイト医師が施術を行うことで、後遺症が残るリスクもあります。
術後、大量出血が続いたり、排尿障害や射精障害、勃起障害などのトラブルを避けるためにも、治療実績が豊富なクリニックを選ぶことをおすすめします。
クリニックの公式サイトには医師の経歴が掲載されているため、事前に確認しておきましょう。
包茎手術でペニスは大きくなる?
包茎手術でペニスが大きくなることはありません。
だし、包茎手術を受けることで早漏が改善され、性行為による女性の満足度が上がることはあります。
ペニスをサイズアップしたい場合は、包茎手術と同時に受けられる亀頭増大・陰茎増大・長茎術を検討しましょう。
包茎手術を受けるなら泌尿器科とクリニックどっちがいい?
包茎手術を受ける際に、見た目より安さを重視するのであれば、保険適用で治療できる泌尿器科がおすすめです。
仕上がりの美しさを求めるなら、傷跡が残らない美容手術に対応したクリニックを受診してください。
泌尿器科とクリニックは、それぞれ治療方針や術式、料金が異なるため、一概にどちらがいいとは言えません。自分で判断できない場合は、カウンセリングを受けたうえで決断しましょう。
包茎手術は保険適用される?
クリニックの包茎手術は基本的に保険が適用されず、治療費は全額自己負担となります。
ただし、真性包茎やカントン包茎の場合、保険適用の術式を選べば、保険を使って手術を受けられることも。
保険適用の包茎手術では、包茎そのものが改善されても、傷跡が残ったりツートンカラーが目立ちやすいデメリットがあります。
その点、包茎治療専門のクリニックなら、自然な仕上がりになる美容手術を受けられます。
包茎手術すると感度が下がる?
こ包茎手術を受けても感度が下がることはありません。
ただし、包茎手術で今まで隠れていた亀頭が露出されると、下着などの摩擦によって外部からの刺激に強くなり、遅漏になる可能性はあります
反対に、余剰包皮を切除することによって感度が上がることもあります。
名称 | 医療法人社団恩和会 旭川高砂台病院 |
---|---|
住所 | 〒070-8061 旭川市高砂台1丁目1番地22号 |
電話番号 | 0166-61-5700 |
FAX | 0166-61-5089 |
代表者理事長・病院長 | 横山恵一 |
開設年月日 | 昭和63年12月15日 (平成10年7月 医療法人社団 恩和会 設立) |
診療科目 | 内科/ 外科/ 整形外科/ リハビリテーション科 /透析科 |
病棟内訳 |
病棟数 104床・B棟2階 療養病床(医療療養病棟)50床 |