レーシックとICLはどっちがいいの?違いやメリット・デメリットを比較

レーシックとICLはどっちがいいの?違いやメリット・デメリットを比較

「メガネやコンタクトレンズの煩わしさから解放されたい」

 

「レーシックとICLで自分に合っているのはどっち?」

 

視力矯正手術のレーシックとICLで、どちらを選べばいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。レーシックとICLは得意とする領域や特徴が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

 

当記事ではレーシックとICLを比較したうえで、メリット・デメリットについても詳しく解説します。どちらを選べばいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

レーシックとICLの比較

レーシックとICLは、いずれも視力矯正手術ですが得意とする領域が異なります。レーシックは微調整することで度数を細かく変えることができます。

 

軽度な近視の場合はICLよりレーシックの方が適していることも。一方、ICLは大きく度数を改善できるため、強度近視の治療にも有効です。

 

ここからは、レーシックとICLの手術内容や特性を比較してみましょう。

レーシックとは

レーシックは専用のレーザーを角膜に照射し、屈折力を調整することで近視・遠視・乱視を矯正する治療法です。米国FDAの認可を受けており、日本でも2000年に厚生労働省から認可されています。

 

手術時間は両眼で約10分。翌日には98%以上の人が1.0以上の視力に回復する治療法です。現在、世界中で多くの人に支持されるもっともポピュラーな屈折矯正手術です。

ICLとは

ICLは角膜と水晶体の間にレンズを挿入し、近視や乱視を矯正する治療法です。レーシックと同様に、米国FDAや日本の厚生労働省から認可されている安全性の高い手術です。

 

眼内にレンズを入れるため、コンタクトレンズのように外れることもなく異物感もありません。お手入れ不要で近視戻りが少ないのが特徴で、将来取り外すこともできます。

レーシック ICL
手術内容 手術内容角膜をエキシマレーザーで削り、角膜の形状を変えることで視力を矯正する 角膜と水晶体の間にレンズを挿入することで視力を矯正する
安全性 高い 高い
適応範囲

-10.00Dまで
-6.00D以上は慎重実施
十分な角膜の厚みが必要

-3.00D~-18.00Dまで
-15.00D以上は慎重実施
角膜が薄くても受けられる

視力の安定性 5~10年で近視戻りが起こることがある 高い
可逆性(元に戻せるかどうか) 削った角膜を元の状態に戻せない レンズを取り外すことで元の状態に戻せる
費用

ICLより安い
(20~40万円程度)

高額になる
(40~70万円程度)

 

手術内容の違い

 

レーシックとICLは近視や遠視、乱視を改善する代表的な視力矯正手術です。視力を矯正するという目的は同じですが、手術内容に大きな違いがあります。

 

【レーシック】

 

レーシックはエキシマレーザーと呼ばれる特殊なレーザーを使用して角膜を削る手術です。

 

その際に、角膜の表面に一時的にフラップと呼ばれるフタを作成します。フラップをめくった状態で、角膜にレーザー照射することで視力を改善します

 

【ICL】

 

ICLは角膜と水晶体の間に特殊レンズを挿入する手術です。

 

視力を矯正するために必要な屈折力をもつレンズで、光の焦点を合わせて視界をクリアにします。

 

費用の違い

 

レーシックとICLは保険適用外の自由診療で、クリニックによって費用が異なります。費用の相場はレーシックは両眼20~40万円程度、ICLは両眼40~70万円ほどです。

 

どちらも決して安いとはいえませんが、術後はメガネやコンタクトレンズなしで裸眼で生活できる快適さがあります。また、維持費もかからないためランニングコストに優れた治療法ともいえます。

 

安全性やリスクの違い

 

レーシックとICLはいずれも副作用やリスクを伴います。

 

【レーシック】

 

レーシックは角膜に切れ目を入れ、厚みを削る手術でリスクはゼロではありません。

 

レーシックは翌日には視力が回復していることがほとんどで安全性の高い手術ですが、以下のような副作用やリスクがあります。

 

角膜を元に戻せない 手術で削った角膜を元の状態に戻すことはできません。
ドライアイ ドライアイは一過性の症状で、半年から1年以内に症状が改善することがほとんどです。
ハロー・グレア

夜間に光を見たときに眩しく感じるハロー・グレアが起こることもあります。
一過性の現象で、時間の経過とともに改善されることがほとんどです。

フラップの合併症 手術の際に作ったフラップと呼ばれるフタが外れたり、適切に治癒しないことがあります。
近視の戻り

術後に角膜に丸みが出て近視の戻りが出ることがあります。
もともと近視が強い人は戻りやすい傾向にあります。
角膜に十分な厚みが残っている場合は再手術を受けることもできます。

感染症

角膜に切れ目を入れるため、術後に感染症を起こす可能性があります。
症例数はごくわずかですが、初期に適切に治療しなければ角膜に混濁が残り、矯正した視力が低下します。

 

【ICL】

 

ICLは実績も増えており人気の視力矯正手術ですが、手術である以上、術後の感染症や合併症のリスクがあります。

 

ICLの副作用やリスクには以下のようなものがあります。

 

レンズが合わない

眼内に挿入したレンズのサイズや度数が合わないことがあります。
レンズの大きさが合わない場合は、眼圧の上昇や乱視軸のズレが生じるリスクがあり、再手術が必要です。

ハロー・グレア 夜間の光がまぶしく感じるハロー・グレア現象が起こることがあります。夜間に運転する機会がある人は注意が必要です。
白内障

開発された頃の眼内レンズでは、ICLを受けた人の2~3%に白内障が起こるリスクがありました。
これは眼内の水の流れを妨げてしまうことが原因でしたが、レンズの中央に小さな穴の開いたホールICLが開発されてからは、白内障の合併症はほぼ発生しなくなりました。

感染症

術後に傷口から細菌が入り、眼内に炎症を起こすことがあります。
抗生剤や消炎剤で治療しますが、症状によってはレンズを取り外すこともあります。

 

見え方の違い

 

レーシックとICLは、目の構造への影響が異なるため、見え方にも違いが出ることがあります。

 

レーシック ICL
視覚の明瞭さ ほとんどの患者が術後、1.0以上の視力に回復する 暗いところでもクリアな視界を得られる
夜間の視力 術後、夜間の光がまぶしく感じるハロー・グレア現象が起こることがある レーシックに比べてハロー・グレア現象が起こることが少ない
視力の安定性 術後、数日から数週間で視力が安定する 術後すぐに視力が安定し、変動することが少ない
奥行き視覚 眼球内部の光学系を変化させない手術のため、変化は最小限 レンズの光学的な品質によって、奥行きの見え方が向上したと感じる人もいる

 

もともとの視力や眼の健康状態などに個人差があり、治療後の見え方は人ぞれぞれ異なります。

 

痛みの違い

 

レーシックとICLは手術前に点眼麻酔を行い、痛みを最小限に抑える工夫がされていますが、圧迫感や不快感が生じることもあります。

 

【レーシック】

 

手術中にフラップを作成する器具による圧迫感や不快感が生じることがあります。

 

術後はかゆみを感じたりドライアイになることもありますが、数日から1週間ほどで治まることがほとんどです。

 

【ICL】

 

手術中に痛みや不快感を感じる人はほとんどいません。レンズを挿入する際に多少の違和感を感じることもありますが、耐えられる程度です。

 

術後は刺激や異物感を感じることがあります。レーシックに比べてドライアイが起こりにくく、不快感が出た場合も24時間以内に解消されることがほとんどです。

レーシックとICLのメリット・デメリット

レーシックはICLに比べて費用が安く、痛みやダウンタイムが少ないメリットがあります。一方、一度削った角膜は元の状態に戻せないデメリットも。

 

ICLはメンテナンス不要で、長期的に安定した視力を維持できるメリットがあります。ただし、レンズの入庫までに数ヶ月かかるデメリットも。

 

ここからは、レーシックやICLのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

レーシックのメリット・デメリット

レーシックのメリット
  • 手術費が安い
  • 手術時間が短い
  • 裸眼で生活できる
  • さまざまな矯正治療に対応している
  • 安全性が高い
  • 痛みやダウンタイムが少ない

手術費が安い

レーシックはICLに比べて手術費が安いメリットがあります。費用の相場は20~40万円程度と幅広く、オーダーメイド手術になると35~50万円ほどかかることも。

 

手術費に適応検査や定期検診、薬代などが含まれているクリニックもあれば、別で費用がかかることもあります。予算に合わせて治療できるように、手術にかかるトータルの費用についても確認しておきましょう。

手術時間が短い

レーシックは両眼10分程度と手術時間が短いのが特徴です。

 

手術前の点眼麻酔や術後の診察などを含めても1時間半程度で帰宅できるメリットがあります。

裸眼で生活できる

レーシックで視力矯正すると、メガネやコンタクトレンズなしで裸眼で生活できます。

 

手術費は決して安くはありませんが、メガネやコンタクトレンズの維持費もかからないため、お手入れなどの手間やランニングコストを考えるとメリットの方が大きいといえます。

さまざまな矯正治療に対応している

レーシックは近視・遠視・乱視の全てを矯正できる手術です。

 

レーシックで矯正できる視力は、日本眼科学会のガイドラインで以下のように定められています。

 

近視

-6.00Dまでが推奨範囲
-10.00D以上は慎重実施

遠視・乱視 6.00Dまで

安全性が高い

レーシックは目の表面で行う外眼手術です。眼球内で行われる内眼手術のICLに比べて、感染症を起こした場合のリスクが少ないといえます。

 

手術である以上リスクがゼロとは言い切れませんが、失明のリスクはほぼありません。

痛みやダウンタイムが少ない

レーシックは手術前に点眼麻酔することで、手術中に痛みを感じることはありません。ただし、目を固定する器具で多少の圧迫感を感じることはあります。

 

麻酔が切れたときに痛みや異物感を感じることもありますが、時間の経過とともに治まることがほとんどです。

レーシックのデメリット
  • 角膜を元に戻せない
  • 眼圧を正確に測定できない

角膜を元に戻せない

レーシックで削った角膜は元の状態に戻すことができません。角膜に十分な厚みが残っていない場合は、見え方に不具合が生じた場合でも再手術を受けられないことも。

 

ただし、角膜に厚みが残っている場合は、1回目の手術から半年以上経過して、追加矯正の手術を受けることができます。

眼圧を正確に測定できない

レーシック手術で角膜が変形すると眼圧を正確に測定できなくなる可能性があります。

 

眼圧測定の数値は角膜が厚いと高くなり、薄いと低くなります。正確に眼圧測定できない場合、緑内障が見逃されるリスクがあります。他に有効な検査方法もあるため、眼圧検査を受ける際には、レーシック手術を受けていることを医師やスタッフに伝えましょう。

ICLのメリット・デメリット

ICLのメリット
  • 視力を維持できる
  • 強度の近視でも矯正できる
  • 取り外しできる
  • 術後のリスクが少ない
  • 紫外線カット機能が付いている
  • メンテナンス不要

視力を維持できる

ICLはレーシックに比べて近視戻りのリスクが少なく、改善された視力を長期的に維持できるメリットがあります。1.0以上の視力を10年後も維持できる人がほとんどです。

 

また、眼内コンタクトレンズは一度挿入するとメンテナンス不要で、永久的に眼内に入れておくことができます。また、レンズを取り外したり交換することもできます。

強度の近視でも矯正できる

ICLは強度の近視や遠視でも矯正できるため、レーシックで不適応となった人でも治療が可能です。

 

-15.00D以上は慎重実施になりますが、-18.00Dまで矯正できます。-10.00D以上は治療できないレーシックに比べて、適応範囲が広いメリットがあります。

取り外しできる

将来眼の病気になった場合や、見え方に不具合が生じた場合に、眼内レンズを取り外すことができます。

 

ただし、レンズを取り外す手術は目への負担が大きいため、できるだけ避けるべきです。元の状態に戻すことはできますが、一度挿入したレンズはよほどのことがない限りそのままで過ごすことを前提に手術を受けてください。

術後のリスクが少ない

ICLはレーシックに比べて術後のリスクが少ないメリットがあります。

 

夜間に光が眩しく感じたり、滲んでみえるハロー・グレア現象やドライアイが起こりにくく、目への負担を最小限に抑えられます。

紫外線カット機能が付いている

ICLの眼内レンズには紫外線カット機能が付いています。

 

レンズには紫外線A波とB波を遮断する紫外線吸収剤が配合されており、387nm以下の有害な紫外線を90%以上カットできるメリットがあります。

メンテナンス不要

ICLで挿入した眼内レンズはメンテナンス不要です。

 

一般的なコンタクトレンズのような装着時の違和感もなく、汚れることもありません。手術費はかかりますが、お手入れの手間やケア用品の購入も不要。長い目で見るとメリットの方が大きいといえます。

ICLのデメリット
  • 手術費が高い
  • 手術を受けるまでに数ヶ月かかる
  • 日常生活に戻るまでに時間がかかる

手術費が高い

ICLはレーシックより手術費が高いのがデメリットです。

 

費用の相場は両眼で40~70万円ほど。使用するレンズの種類や度数、クリニックによっても費用は異なります。

 

眼内レンズは1人ひとりの目の状態に合わせてオーダーメイドで発注するため、費用が高額になります。

手術を受けるまでに数ヶ月かかる

ICLは1人ひとりの目の状態に合わせてレンズをオーダーメイドで発注するため、入庫までに時間がかかります。

 

適応検査の後、すぐに手術できるわけではありません。在庫がある場合でも1ヶ月半、一般的には2~4ヶ月ほどかかります。

 

乱視用のレンズや規格外のレンズを注文する場合は、3ヶ月以上かかることがほとんどです。

日常生活に戻るまでに時間がかかる

ICLの術後、日常生活に戻るまでに時間がかかります。

 

感染症を避けるためにも術後の過ごし方については、医師の指示を必ず守りましょう。顔以外のシャワーなら当日からOKです。洗顔や洗髪は4日目から、目の周り以外のスキンケアは当日から可能です。術後1週間経てばアイメイクもできるようになります。

 

仕事復帰については、環境や仕事内容によっても異なるため医師に相談してください。まつ毛パーマやまつ毛エクステは、1ヶ月検診の際に確認しましょう。

レーシック・ICLに関するよくある質問

レーシックとICLではどちらが安全?

レーシックとICLはどちらも安全性が確保された治療法です。
ICLはレンズの取り外しや交換ができるため、将来の視力の変化に対応できます。一方、レーシックは角膜を元に戻せず、見え方に不具合が生じた場合でも角膜の状態によっては再手術を受けることができません。

レーシックやICLに年齢制限はある?適応年齢は?

レーシックやICLの適応年齢は18歳以上です。18歳未満は成長期で、視力が変わる可能性があるため手術を受けられません。
適応年齢に上限はありませんが、老眼が出てくると調整が必要になります。また、高齢になると全身疾患や白内障など、眼の病気を患うリスクもあり、希望しても不適応になることもあります。

レーシックやICLは痛い?

レーシックやICLは手術前に点眼麻酔するため、痛みを感じることはありません。ただし、レーシックでは目を固定する器具を使用するため、圧迫感を感じることはあります。
術後は痛みや異物感を感じることもありますが、時間の経過とともに症状が治まることがほとんどです。

レーシックは何回まで手術できる?2回目は?

レーシックは原則1回まで、角膜に十分な厚みが残っている場合は2回まで再手術を受けられます。
事前検査で角膜の厚みを調べることで、術後の再手術の可否について、ある程度判断することができます。

レーシックやICLで失敗することはある?

レーシックやICLは手術である以上、失敗するリスクがないとは言い切れません。
どちらも安全性の高い手術ですが、衛生管理が徹底されていない環境での手術で感染症が起こる可能性も。失敗のリスクを避けるためにも、治療実績が豊富で眼科専門医が在籍するクリニックを選びましょう。

レーシックやICL以外の視力矯正治療にはどのようなものがある?

レーシックやICL以外の視力矯正治療として、オルソケラトロジーがあります。
オルソケラトロジーは就寝時に専用のコンタクトレンズを装着して視力を矯正する治療法です。手術の必要はないため手軽に治療を受けられるメリットがあります。
コンタクトレンズの使用を中止すると視力が元に戻りますが、長期間使用することで近視の進行を抑制することができます。
スポーツ等で日中メガネやコンタクトレンズを使えない人や、成長期の子どもの視力回復治療としても注目されています。

レーシックやICLは保険適用される?医療費控除の対象になる?

レーシックやICLは保険適用されず、治療費は全額自己負担となります。
ただし、確定申告することで医療費控除を受けることができます。治療にかかった費用が分かる領収書を保管し、年度末に確定申告すれば還付金を受け取ることができます。

レーシックやICLは40代・50代でも受けられる?

レーシックやICLに年齢の上限はないため、40代や50代でも手術を受けることはできます。
ただし、老眼が始まっていない45歳までの手術が推奨されています。高齢になると眼の疾患や全身疾患が見つかり、手術を受けられないケースもあります。

病院概要

名称 医療法人社団恩和会 旭川高砂台病院
住所 〒070-8061 旭川市高砂台1丁目1番地22号
電話番号 0166-61-5700
FAX 0166-61-5089
代表者理事長・病院長 横山恵一
開設年月日 昭和63年12月15日 (平成10年7月 医療法人社団 恩和会 設立)
診療科目 内科/ 外科/ 整形外科/ リハビリテーション科 /透析科
病棟内訳

病棟数 104床・B棟2階 療養病床(医療療養病棟)50床
・B棟4階 一般病床(障害者病棟)54床